「国内にホームレスがいるのにアフリカの子供を助けるのはおかしい!マザーテレサも言ってた!」の考察

よくある論理

「海外の恵まれない人への慈善事業は偽善。まず日本にいる恵まれない人を救うべきだ」

私はこの論理、非常に余計なお世話だと思います。

人は自分の興味のある分野にて、自分の行いたいことをする権利がある。

不動産に興味のある人は、不動産会社に勤めればいい。
家電製造に興味のある人は、家電メーカーに勤めればいい。


「世の中には家電メーカーがあるのに、不動産会社に勤めるなんておかしい!」なんて、誰も言わないでしょ?
言ったらアホでしょ?

これを踏まえて。

アフリカの貧困に興味がある人は、そこに関連する何かをすればいい。
国内のホームレス問題に興味がある人は、そこに関連する何かをすればいい。


「国内にホームレスがいるのに、アフリカの貧困を助けようなんておかしい!」

前者の会社の例と同じく、この論理も成り立たないのです。
なのにあたかも成り立っているかのように見えるのは、そこに「慈善事業」「ボランティア」「募金」というものへの差別心、あるいはいっそ、敵視感情があるからだ。

慈善敵視症。
あなたは慈善敵視症を患っては、いませんか?

人には自分が興味ある分野で何かをする権利があるのです。
特定の相手にのみ、その権利を認めないのは、差別であります。

も一つ例を出すと、「老人福祉は偽善。まず恵まれない子供達を助けるべきだ」これもおかしいですよね?
中身が「海外」「国内」の対比になった途端に、あたかも正しい言葉のように受け止められる。

マザーテレサの「まず身近な人から」という言葉がこの、海外ボランティア差別感情を増長させていますが、よく考えて下さい。
マザーテレサがこのようなボランティア差別という珍奇きてれつな差別を望んでいるわけがないでしょう。

あるいはマザーテレサは日本国内であまりにも貧民が冷遇されている状況を見て「お願いだから日本人、日本国内にも同情の目を向けて!」と思ったのかもしれません。
いまも生活保護叩きとかすごいですし、日本人は国民性として、身近な人への慈悲の心も不足気味なのかもしれません。

マザーテレサの「まず身近な人から」という言葉を聞いて、

「そういえば私は日本国内の恵まれない人に対して冷たいかも!」

という反省をするならいざ知らず、なぜか海外慈善事業に従事している人をバッシングするなんて・・・。

実は海外ボランティア叩きに必ず引用される「マザーテレサの名言」、

「自分の国で苦しんでいる人がいるのに他の国の人間を助けようとする人は、
 他人によく思われたいだけの偽善者である」


↑多くの人が目にしたであろう、これ。
これの正確なソースはいまだに判明していないらしい。ネットってひどいわーw
マザーテレサの「名言」と伝言ゲーム

↓なお確実なソース付きのものはこれ。確かに「まず身近な人を」というニュアンスです。でもその意味するところは、まったく、海外ボランティアバッシングではないのです。
ちょっと長いですが多くの日本人に、ちゃんと読んで欲しいです。

マザー・テレサを偲んで

初 めて日本を訪れたマザー・テレサの言葉を今でも鮮明に覚えています。
「日本に来てその繁栄ぶりに驚きました。日本人は物質的に本当に豊かな国で す。しかし、町を歩いて気がついたのは、日本の多くの人は弱い人、貧しい人に 無関心です。物質的に貧しい人は他の貧しい人を助けます。精神的には大変豊か な人たちです。物質的に豊かな多くの人は他人に無関心です。精神的に貧しい人 たちです。愛の反対は憎しみとおもうかもしれませんが、実は無関心なのです。 憎む対象にすらならない無関心なのです。」

マザー.テレサの生き方は今では世界の多くの人に知られており、彼女の主な 奉仕の場であるカルカッタには、世界中からたくさんの見学者、ボランティアが 訪れています。その人たちの多くは「マザー、私たちは何をしたらよいでしょう が」と質問するそうです。多少「少し手伝ってください」という答えを期待して の質問かもしれませんが、マザーは決まったように、次のように答えるそうです 。「皆さんはすぐにお国にお帰りなさい。そして皆さんの最も近いところから愛 の行為、人を大切にすることを始めてください。愛は最も近いところから始まる のです」と。


ちなみにマザーテレサ自身、インド人じゃありません。東ヨーロッパ(現在のマケドニア)出身の方で、18歳のとき初めてインドに行きました。
そう、マザーテレサ自身が海外ボランティア人なのです
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%86%E3%83%AC%E3%82%B5#.E7.94.9F.E6.B6.AF

今後、上記の<マザーテレサの名言>を引用する際は、もろもろ考慮に入れてからにしましょう。
そしてできれば「誰かを叩くために」この言葉を使うのではなく、「私は日本国内の貧しい人、恵まれない人に対して、慈悲の心を抱いているだろうか?」と自省する方向で使ってみて下さい。
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